2020/09/16 18:26

パネルに[油絵具]のエアブラシで描かれます。

通常、エアブラシを使う作家はアクリル絵具を使います。

それは霧状になったアクリル絵具が画面に到達して早い時間で乾くからです。

前田は敢えて油絵具を使います。油絵具は画面に到達しても長い間乾きません。

油絵具+エアブラシは非常に繊細の作業を求められます。

気を抜くと乾いている途中でコンプレッサーによって巻き上げられた埃を画面が拾ってしまいます。

 また前田は描き始める前に画面の下地を整えます。パネルにジェッソという下地剤を塗りサンドペーパーを掛けて画面を均一でフラットな状態にします。この作業が大変だそうです。

 このような大変な作業を何故?・・・それは前田の求める絵画の「質」に大切だからですね。


[プチ自慢話」

前田朋子は2004年にVOCA賞を受賞致しました。

自慢というのはこの栄誉ある賞を受賞する前に、彼女の個展は2回です。

・・・そのうちの1回が弊廊(エスプリ・ヌーボー Gallery)

 この個展の後、私は画面上の埃についての不満を彼女に述べました。

その後、VOCA展への出品にあたって、まずクリーンルームのような、完璧に埃の舞わない空間を

まず作り、そこで作品を描いたといいます。そしてVOCA賞!

心構えからして違いますね?

 このような理由から、前田朋子という作家のエアブラシ作品は寡作となっています。